【Vol.23】地域で継承!町全体が主役の歌舞伎【柳橋歌舞伎保存会】

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郡山市東部の山間地、柳橋地区で江戸時代から受け継がれてきた柳橋歌舞伎。その歴史を次の世代へと引き継いでいる「柳橋歌舞伎保存会」は、一体どんな活動をしているのでしょうか?今回は、会長である宗像亀明さんにお話を伺いました。


柳橋歌舞伎保存会会長 宗像亀明さん

【 柳橋と歌舞伎の歴史 】
柳橋歌舞伎は、郡山市中田町柳橋にて江戸時代より200年以上受け継がれてきた農村歌舞伎です。しかし、大正時代の大火による資料文献の焼失、太平洋戦争、後継者の不足・・・そうした背景で、歌舞伎の公演は途絶えることに。
そこへ、歴史ある柳橋歌舞伎を復活させようという動きが起こります。現会長、亀明さんの祖父にあたる宗像亀佐さんが歌舞伎研究会を発足。後の歌舞伎研究部の前身となります。父である宗像亀嘉さんも長年研究部長を務め、昭和55年、「柳橋歌舞伎保存会」が結成されました。以来、毎年定期公演を行っています。


「柳橋歌舞伎保存会」結成時の新聞

【 柳橋歌舞伎保存会の活動について 】
現在、柳橋地区200戸あまりの全戸が保存会に参加。 定期公演の際には出店や三味線、衣装の着付けや化粧など、役者として舞台に立たずとも、何らかの形で地域の全員が関わっています。町民それぞれが、歌舞伎という存在を身近に感じながら生活してきたといえます。
宗像さん自身も、柳橋で生まれ、親子三代にわたり柳橋歌舞伎を支えてきた立役者。自分自身も何度も柳橋歌舞伎の舞台に上がり、歌舞伎を多くの町民に伝えてきました。
また、町民の中から役者を見つけ出すのも大切な仕事です。限られた人数の中から役者を確保するのは、タイミングもあり簡単なことではありません。ですが、中学生たちも役者として舞台に立つようになった今、人員不足も解決に向かっているといいます。
そして、今は、中学時代に歌舞伎を経験した2名が保存会へと加入しているとのこと。こうして、人から人へと、柳橋歌舞伎の伝統が受け継がれています。


衣装について 【 衣装について 】
現在、公演で使用されている衣装は江戸時代から使い続けられているものだそうです。
言い伝えによると、旅芸人が長い間柳橋に住み続けていたと言われ、歌舞伎と同じく、衣装もこの人たちから伝わったのではないかとされています。
地域をあげて、これらの衣装の保存に努め、平成15年、歌舞伎衣装17点が郡山市重要有形民俗文化財に指定されました。


イベント出店の様子

【 柳橋の伝統を中学生へ 】
地元中学生が、初めて柳橋歌舞伎を上演したのは平成10年。「歌舞伎をやる人が少なくなり、毎年の定期公演で演目を2つ上演すると役者が足りなくなってしまったんです。」柳橋地区では年々、人口減少が進んでおり柳橋歌舞伎の継承が厳しい状態となっていました。そこで、地域の住民や地元の中学校が一体となり伝統芸能を引き継いでいくこととなったのです。
週に1度の授業や夏休みの期間を利用して歌舞伎を中学生たちに教えています。「黒く日焼けをした子が静御前の役をやることになり、白粉を塗っても塗っても色が白くならないということがありました。中学生ならではのハプニングですね」宗像会長は笑顔で語ります。
現在では、御舘中学校の全校生徒43名全員が演目に出演します。役者だけでなく、三味線、黒衣(くろこ)なども彼ら自身で演じます。「柳橋歌舞伎は、役者だけが主役ではありません。三味線や音響、照明なども含め全員が主役です。だれが外れても歌舞伎として成り立たない。一丸となって歌舞伎を演じることで、みんなと協力して成し遂げる達成感を味わってほしいですね」と宗像会長。
月が照らす野舞台、長い台詞を覚えた中学生に惜しみない拍手が送られます。彼らの熱演におひねりが飛び交い、農村歌舞伎は最高潮を迎えます。一方、舞台裏の中学生たちはやりがいを感じつつ、お互いを讃えあうのだそうです。彼らにとって生涯忘れられない舞台となるでしょう。

歌舞伎の舞台は女性役を「女形」と呼ばれる男性が演じます。そのため、江戸時代から女人禁制というイメージが強いですが、再来年の公演では、中学校の女子生徒も舞台に立つのだとか。古き良き伝統を受け継ぎつつ、時代の変化に柔軟に対応し、本当に守りたいものをつないでいく・・・。現代の農村歌舞伎、「柳橋歌舞伎」の公演を見に、ぜひ一度足を運んでみてください!


柳橋歌舞伎定期公演柳橋歌舞伎定期公演

【 柳橋歌舞伎定期公演について 】
今年の柳橋歌舞伎定期公演は、2018年9月16日(日)に開催!黒石荘の野舞台で行われる圧巻の伝統芸能をとくとご覧ください。演目は「白浪五人男」、「義経千本桜」、「一の谷嫩(いちのたにふたば)軍記 熊谷陣屋の場」の3演目となっています。
また、公演の当日は、町全体がお祭りに。イカ焼きやラムネ、けんちんうどん、焼き鳥などの屋台も出てにぎやかに行います。公演は無料で鑑賞できますので、ぜひみなさんお越しください。

お問合せ【柳橋歌舞伎保存会】
電話:024-954-7959
【郡山市内のスポット紹介:柳橋歌舞伎】
https://www.kanko-koriyama.gr.jp/tourism/detail2-3-81.html

【ふくラボ!郡山探検隊ページはこちらから】
https://www.fukulabo.net/is.shtml/labonews/hitomono-20180831
取材の様子もご紹介!ぜひご覧ください。