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【Vol.13】竹民芸品「いやしの福とんぼ」【工房高田】

【Vol.13】竹民芸品「いやしの福とんぼ」【工房高田】

竹民芸品を創って今年で7年目を迎える工房高田。代表作「いやしの福とんぼ」は、国土交通大臣賞」など多くの賞を受賞し、「郡山ブランド認証産品」しても認定を受けています。


工房高田 高田社長

 さっそく、見せていただくと、「そっと息を吹きかけてみてください。前後左右にゆらゆらと繊細な動きをしますよ。一つ一つに真心を込めて手作りしています。」と高田社長。見ているうちについつい引き込まれ、いつしか無心になり、癒される心持になりました。高田社長は民芸品を製作する一方で、精密機械の開発・加工((有)高田製作所)も手掛けています。精密機械と民芸品の不思議な組み合わせにいささかの疑問を感じながら、「いやしの福とんぼ」が生まれたきっかけについて伺いました。
 「昭和58年に高田製作所を創業し、大手メーカーの下請けとして8ミリビデオやポータブルプレーヤーの部品製作を手掛けました。しかし、時代の流れとともに需要が激減していきます。

いやしの福とんぼ

不安を抱え、怪我も重なったある日のこと、リハビリを兼ねて阿武隈川沿いを散歩していると、突然とんぼが目に飛び込んできました。普段の生活の中で見過ごしていたとんぼが、なぜかとても愛おしく、その不思議な動きに魅入られ、心の底から癒されるのを感じたのです。そのとき、この美しいトンボの動きをどうにかして再現できないものだろうかと思い立ったのです。このことがきっかけとなり工房を立ち上げ、竹材によるとんぼ作りに没頭しました。バランスを保ちつつ美しく揺れ動く動きを再現するのはとても難しいことが分かりました。竹は外側と内側で密度が異なるので形状だけ整えてもバランスのいい「やじろべい」にはならないのです。問題解決には精密部品組立業で培った技能が役立ちました。いくども試作を繰り返し、ついに「いやしの福とんぼ」の完成に漕ぎつけたのです。ぜひ、この動きを一度見てほしいですね。何とも言えない揺らぎ、心地よさを感じていただけると思います。」


工房髙田


 作品を発表すると、興味を持ったお客様から様々なリクエストを受けたそうです。そして、ちょうちょうやフクロウ、つばめ、さらには農家のジオラマなどの作品や教材を次々と手掛けていきます。教材は教育現場だけでなく、家族で作って楽しめる工作キット(木製・紙製)に仕上がっています。イベントのワークショップはいつも人気のコーナーとなっています。
 「気軽に遊びに来てください。」と笑顔の高田社長、郡山の民芸品を国内はもとより、世界に向けて発信したいと熱く語るその姿は73歳とはとても思えないほど、バイタリティにあふれています。高田さんの作品を訪ねて一度工房に足を運んでみてはいかがでしょうか。


お問い合わせ【工房髙田】
福島県郡山市富久山町福原字福原39番地
電話:024-934-4338 FAX:024-934-4332
http://www.kobotakada.jp/
【郡山市観光物産振興協会:工房髙田】
https://www.kanko-koriyama.gr.jp/itiba/mingei_member/takada.html

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