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【Vol.48】大堀相馬焼の伝統と、新たな挑戦【大堀相馬焼 陶徳窯】

【Vol.48】大堀相馬焼の伝統と、新たな挑戦【大堀相馬焼 陶徳窯】

~郡山市観光協会 × ふくラボ!presents~
福島のタウンサイト「ふくラボ!」と共に郡山の魅力をご紹介します。


浪江町で江戸時代から愛用されてきた大堀相馬焼。郡山市では、現在もその伝統と技法を受け継ぐ窯元が活動しています。
市内田村町に工房とギャラリーを構える大堀相馬焼陶徳窯(すえとくがま)を訪ね、10代目窯元の陶正徳(すえまさのり)さんにお話をうかがいました。


大堀相馬焼

【 大堀相馬焼 】
江戸時代の浪江町で生まれ、300年以上の歴史を持つ大堀相馬焼。青みがかった釉薬(ゆうやく)と細かく広がるひび文様、そして走る馬の絵柄が特徴となっています。また二重焼(ふたえやき)と呼ばれる構造はお湯が冷めにくく、湯飲み表面が熱くならないという東北地方ならではの技法なのだそうです。浪江町では日用雑器として親しまれるなど、長年愛されてきた伝統工芸品となっています。

そんな大堀相馬焼の窯元、陶徳窯は2011年の東日本大震災により、移転を余儀なくされました。2016年に郡山市内で新たな工房とギャラリーをオープン。伝統と新たな可能性を探りながら、日々器作りに取り組んでいます。


10代目窯元の陶正徳さん

【 10代目窯元の陶正徳さん 】
「大堀相馬焼のテイストを残しつつ、現代に受け入れられる器を作りたいんです。」

陶徳窯の取り組みについて話すのは、10代目窯元の陶正徳さん。

「現在は<伝統工芸としての大堀相馬焼>だけを作り続けていても、売れる時代ではなくなってきました。いまはプラスチック容器や大量生産の安価な器なども増えています。大堀相馬焼もまた、人々の生活に根付いた必需品からぜいたく品へと変化しているんです。こういった状況を踏まえ、これまでの伝統を守りながらデザイン性なども考え、新しいことに挑戦しています。」


伝統と新たな挑戦

【 伝統と新たな挑戦 】
正徳さんが語る<新しい挑戦>とは一体どんなものでしょうか?

「たとえば、大堀相馬焼の特徴である釉薬の色合いやひび文様は残しつつ、ランプシェードやキャンドルスタンドなど現代的なアイテムと融合できないか試しています。丸っきり別の物にならないよう工夫することが大切ですね。発注から制作、販売まで1人で行っているので、ご注文に合わせてオーダーメイドで対応できることが強みだと考えています。」

先代から受け継いだ伝統はそのままに、時代に合った物を作り出している正徳さん。ギャラリーには、伝統技術と現代感覚が調和した、新たな大堀相馬焼とも言うべき作品が並んでいました。


陶徳窯が描く未来

【 陶徳窯が描く未来 】
陶徳窯については、どういった未来像を描いているのでしょうか?

「まずは工房を続けられるだけ続けていきたいです。陶徳窯はもともと浪江町大堀地域にあったんですが、2011年の震災で住めなくなってしまったんです。辞めることも考えたんですが、先代から受け継いだ伝統や技法を自分の代で途絶えさせてしまうのはもったいないと実感。そこで郡山市へ移転し、新たなスタートを切ることにしたんです。新天地での出発には楽しさを感じましたが、同時に『やっていけるのか』という不安もありました。現在は陶芸教室などを通じ、地域の方に焼き物と触れられる場所を提供しています。大げさかもしれませんが、幼いころから身近な存在だった焼き物の世界に恩返しできればと考えているんです。」

芸術の秋も本格的に深まってきました。陶徳窯で、奥深い大堀相馬焼の世界に触れてみてはいかがでしょうか?


箸置き

【 箸置き 】
食事の時間が楽しくなる、福島県をかたどった箸置き。贈り物や、おみやげにもぴったりです。

【 陶芸教室 】
陶芸教室では、自分だけの器を作ることも可能です。出張陶芸教室も行っています。
※どちらも要予約。事前にお問い合わせください。

お問合せ【大堀相馬焼 陶徳窯】
電話:090-4476-8406
各種SNS【大堀相馬焼 陶徳窯】
Instagram:https://www.instagram.com/oborisoumayaki_suetoku/
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/Oborisoumayaki.Suetoku/

【ふくラボ!郡山探検隊ページはこちらから】
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